今日のひとことWeb版

「マイナンバー」を健康管理に生かそう

2013/07/11 15:26

 健康診断で問題が見つかって病院に行ったら、また同じような検査を受けた――こんな経験はないでしょうか。

 大手ITベンダーが提供する地域医療連携ネットワークシステムを利用していれば、こんなことはなくなります。同一地域内なら、健康診断や診療所、病院、療養施設など、どこへ行っても医療情報を共有しているからです。重複検査の抑制や処方の適正化で、患者の負担や医療費の削減に大いに役立つというわけです。

 情報の共有は、システムに組み込まれている患者ID紐づけ機能によって行われます。同姓同名同生年月日でもない限り、まず間違いは起きないとされています。とはいえ、この機能をちゃんと働かせるには、人手による紐づけ作業が欠かせません。人の手が介在するところには、常にミスが発生する可能性があります。

 そこでITベンダーが注目しているのが、マイナンバー制度(社会保障・税番号制度)の医療・介護分野への応用。さらには、学校やフィットネスセンター、配食サービス事業者など、他業種・他業態とも幅広く共有し、生活習慣病の予防などに役立てようとしています。

 手作業が発生する現行のID紐付け機能よりも正確・迅速であることから、大手ITベンダーはこぞってマイナンバーの活用に期待を高めています。しかし、診療情報は個人情報のなかで最もセンシティブなもの。ハードルはなかなか高そうです。(安藤章司)

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秒読みに入った「マイナンバー制度」 色めき立つ情報サービス業界
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.7.11」より
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