今日のひとことWeb版

ヘルスケア分野の情報連携を

2013/06/25 15:26

 農業や漁業など、一次産業がITの未開拓分野として注目を集めています。しかしIT投資の伸びしろという点では、ほかにも多くの有望な市場がありそうです。

 医療、福祉・介護を含むヘルスケア分野もその一つといえるでしょう。調査会社のIDC Japanの予測によれば、ヘルスケア関連の国内IT支出は、2012年の推計値が9973億円、17年までは平均成長率1.8%で推移し、1兆913億円に達します。

 リンク先の記事では障がい者福祉に焦点を当て、IT投資の現状とベンダーのソリューション展開、市場展望などを探りました。取材の過程で痛感したのは、縦割り行政の弊害です。医療、高齢者福祉、障がい者福祉などは、担当省庁が別々に施策を展開し、医療機関や福祉サービス事業者間の情報連携はほとんど行われていません。

 しかし、ITベンダーには情報連携の技術があります。問題意識をもつ地域の医療機関やサービス事業者も存在します。さらには、マイナンバー制度という有効な基盤も実現の道筋がみえてきました。

 IDC Japanの笹原英司リサーチマネージャーは、ITベンダーに「ITで社会構造の転換を主導する」ことを期待しているといいます。まだ雲をつかむような話かもしれませんが、ITベンダーにとっては、ビジネスチャンスになると同時に、暮らしやすい社会の創造に貢献する意義のある事業です。(本多和幸)

【記事はこちら】
障がい者福祉で新たなIT需要 ~「総合支援法」で変わるサービスのかたち
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.6.25」より
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