今日のひとことWeb版

データ活用の落とし穴

2013/06/19 15:26

 あるとき、暇つぶしに、ベトナムに出張した同僚記者が泊まったホテルをインターネットで検索してみました。それはそれで楽しかったのですが、すると、次から著名なニュースサイトを開くたびに、広告枠にベトナム宿泊プランが表示されるようになりました。どうやら、私のパソコンのIPアドレスが「ベトナムのホテルに関心」という情報と結びつけられたようです。

 ようこそ、データ活用の時代へ!最近のウェブ媒体は、データ分析サービスを利用して、検索履歴などの情報からユーザーがどんなことに興味があるのかを予測して、個人に合った広告を表示しています。これで広告効果を高めて、次の出稿につなげるわけです。

 しかし、私は残念ながらベトナムに行く予定がありません。ホテル情報を表示されても、まったく効果なし。そこで考えました。データ活用の落とし穴は、エンドユーザーの軽視にあるのではないか、と。データ分析サービスを提供するITベンダーは、ユーザー企業のメリットだけでなく、その先にいるエンドユーザーも視野に入れる必要があります。

 データ活用は、エンドユーザーの購買を促し、企業の事業拡大に貢献してはじめて価値を生み出します。ビッグデータ市場が急速に拡大しているのは確かですが、ITベンダーはユーザーが実際に抱えるニーズを正確に把握して、的確に分析する仕組みを提供しなければなりません。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
<BOOK REVIEW>『図解 ビッグデータ早わかり』
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.6.19」より
  • 1

関連記事

中国のビッグデータ市場 100億元のビッグビジネスに成長 日系ベンダーは魅力市場の開拓に挑め

<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>ダイナミック・ケース・マネジメント(DCM) ビッグデータを経営に生かす ITと人材育成がDCMを支える

富士通研究所、蓄積データ処理と複合イベント処理の統合開発環境、開発期間を約1/5に

マークロジック 日本事業を本格立ち上げ ビッグデータ市場を狙う

NTTソフトウェア、クラウド推進室とビッグデータ推進室を新設