BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本』
2013/06/13 15:27
週刊BCN 2013年06月10日vol.1484掲載
で、「良薬は口に苦し」の感覚で読んでみることにした。まずは、課題を解決するのに重要なファクターとなる「仮説アプローチ」について。要するに、「この辺に問題があるのではないか」と“あたり”をつけるわけだ。仮説を立てることによって、ムダな分析を避ける、分析の目的が明確になる、大局的な視点でストーリーを描きやすい──という利点が生まれる。ただし、仮説アプローチにはネックがある。見えない課題を見逃したり、分析にバイアスがかかったりするリスクだ。そのような点を考慮に入れながら、「仮説の答えになるデータを探す」のが次のステップとなる。「幅をもったデータ収集で作業を効率的に行う」とか「データの“軸”に着目する」など、データを収集するうえでの留意点が挙げてある。
そして、いよいよ専門分野に突入。「平均値・中央値」あたりまでは難なくついていけるが、「標準偏差とヒストグラム」「相関分析」「単回帰分析」になると、胃もたれして、なかなか消化できない。できの悪い子に理解させようと、できる限りの平易な解説を試みる著者の努力が伝わってくる書である。(仁多)
『「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本』
柏木 吉基 著
日本実業出版社 刊(1600円+税)
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