北斗七星

北斗七星 2013年6月3日付 vol.1483

2013/06/06 15:38

週刊BCN 2013年06月03日vol.1483掲載

▼日本のユーザー企業のCIO(最高情報責任者)は、ITシステムを導入する際に、米国の企業のCIOに比べてベンダーに委ねる範囲が広いといわれてきた。ある米国ITベンダー日本法人の営業担当者は、その違いを料理にたとえてこう語った。「日本のCIOは、ITベンダーに『イタリア料理が食べたい』と言う。対して、米国のCIOは『トマトとアサリを使ったパスタをつくってほしい』と要求する」。米国企業のほうが具体的なリクエストを出すというわけだ。

▼しかし、この違いが徐々に消滅してきているそうだ。ユーザー企業は「成熟した日本市場で生き残るには、従来のIT調達方法ではダメだと考えて、かなり高度なスキルと豊富な情報をもつようになった」のだ。SIerクラスの知識と技術をもつ情報システム部門も多くなっているそうだ。

▼日本のSIerは、これまで任せっきりで請け負うことができたからこそ、儲けを出すことができた部分もある。欲するシステムを具体的にイメージして、「トマトとアサリとパスタだけをもってきてくれればいい」というユーザーが増えてくれば、SIerのビジネス範囲は狭くなる。知識とスキルをもったユーザーの増加を想定して、その要求水準を上回る価値を提案することこそが生き残りの道につながる。(鈎)
  • 1

関連記事

有望分野はこれだ! 変貌するSIerの成長ビジネス

国内SIerのオフショア開発 外的要因で転換期に差しかかる アジア相互補完の体制整備が急務

SMB市場をものにしたSIerの両雄