いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>IaaS/PaaS
2013/06/06 15:26
週刊BCN 2013年06月03日vol.1483掲載
インターネットを通してITプラットフォームを提供するサービス
IaaSは「イアース」または「アイアース」、PaaSは「パース」または「パーズ」と読む。クラウドコンピューティングの一種で、インターネット経由でITプラットフォーム(基盤)を提供するサービスを指す。メンテナンスが不要で、従量課金制で提供されるので、ユーザーは自社でIT基盤を用意する場合に比べてコストを軽減することができる。
IaaSでは、システムを構築するために必要なサーバーや通信回線、OSなどのインフラストラクチャを提供する。一般的に、仮想化したサーバー環境だけを提供して、ユーザーが自由にシステムを構築できるようにしているので、ミドルウェアなどのソフトウェアはユーザーが個別にインストールして使う形態を採ることが多い。提供する基盤にOSを含む場合とそうでない場合とがあるが、OSを除いたIT基盤を提供する場合には、HaaS(Hardware as a Service)と呼ぶことがある。
IaaSは、従来のレンタルサーバーと混同されることが多い。レンタルサーバーが物理サーバーを提供するのに対して、IaaSは仮想サーバーを提供するので、ユーザーの利用状況に応じて柔軟にシステムを拡張できる。
PaaSは、ソフトウェアを開発・稼働するプラットフォームを提供するサービスで、IaaSの構成要素にミドルウェアを加えたもの。サービスプロバイダが自社で提供するSaaS(Software as a Service)の基盤として利用することが多い。OSやミドルウェアは設定済みで提供するが、特定の開発言語に限定されるなど制約が加わるので、別の開発基盤が必要になったときにはユーザー側でソフトウェアをインストールしなければならない。
調査会社のアイ・ティ・アール(ITR)によると、国内IaaS/PaaS市場の2011~16年度の年平均成長率(CAGR)は30.6%の見通しだ。
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