BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『必ず伝わるプレゼンの極意』

2013/05/30 15:27

週刊BCN 2013年05月27日vol.1482掲載

 『週刊BCN』の主な読者、すなわちIT関連企業の営業部門に籍を置く方々にとっては、プレゼンの巧拙が成績を左右するといっても過言ではないだろう。いくら画期的な製品・サービスをもっているといっても、顧客にその優秀さがきちんと伝わらないのでは、売れるはずがない。というわけで、今週は「プレゼンの極意」とタイトルづけされた本を取り上げる。

 プレゼンといえば、PowerPointのスライドショーをイメージするくらい、「パワポ」のツールとしての威力は大きい。したがって、その機能と使い方に紙幅が多く割かれている。PowerPointの表示モード(標準/スライド一覧/ノート/スライドショーなど)の区分と使い方にはじまって、相手を引きつけるコンテンツのつくり方などが、コンパクトに解説してある。

 PowerPointの基礎の次は、プレゼン資料づくりだ。相手の理解を促すには、長い文章は箇条書きにするのが効果的。その箇条書きをPowerPointのSmartArt機能を使って図解すればさらに見やすく、わかりやすくなる。また、オートシェイプ機能で図形の中に文字を入れて強調することもできる──などなど。

 難をいえば、本書の内容がスライドショーや配布資料のつくり方に片寄りすぎている点だ。プレゼンの極意というからには、見せるだけでなく、聞かせる要素も重要のはず。商談の相手をうなずかせる話し方や受け答えを期待した読者は、その点で物足りなさを感じるかもしれない。(仁多)


『必ず伝わるプレゼンの極意 PowerPoint力+コミュ力をアップする』
枚田 香 著
アスキー・メディアワークス 刊(743円+税)
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