北斗七星

北斗七星 2013年5月20日付 vol.1481

2013/05/23 15:38

週刊BCN 2013年05月20日vol.1481掲載

▼今月9日、国民一人ひとりに番号を付与し、行政サービスの向上と行政機関の業務効率化に役立てる「共通番号制度(マイナンバー制度)」に関する法案が衆議院を通過した。成立に向けて大きな一歩を踏み出したことになる。

▼官公庁と全国の地方公共団体は、共通番号制度を始めるために、住民情報の管理システムの改良が必要だし、「住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)」以上に機密性の高い情報を取り扱うだけに、セキュリティシステムの増強も必須となる。それが全国の地方公共団体で始まることになるのだから、特需は想像をはるかに超える規模が見込まれる。NTTデータや日本ユニシスなどの経営幹部は、すでに特需を期待するコメントを口にしている。

▼この制度の開始にあたって、気にしてもらいたいのはその発注先だ。どのようなシステムをつくるかはもちろん大事だが、それを誰につくらせるかも重要だ。地方公共団体のシステム構築・運用といえば、東京の大手ITベンダーが受注するケースが多い。しかし、それでは地元のITベンダーが育たない。地方公共団体の仕事は、地方のITベンダーが受注するべき。どのようなシステムをつくるかと同時に、誰にシステム構築を任せるかも、議論の的にしてほしい。(鈎)
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