北斗七星

北斗七星 2013年4月8日付 vol.1476

2013/04/11 15:38

週刊BCN 2013年04月08日vol.1476掲載

▼朝8時、東京・神田界隈の喫茶店には、出社前の人が殺到する。一杯のコーヒーを通じて“やすらぎと活力”を届けることを標榜するドトールコーヒーは、この時間帯は15分間で20人ほど客が入れ替わる。従業員は5人ほど。380円と手頃な価格のセットを提供し、回転率で収益を上げる。

▼一方の珈琲館。ドトールよりも店舗は広いが、店員は2人。注文は席で受け、店員がサーブする。UCC上島珈琲傘下ならではのおいしい珈琲と落ち着いた空間で、550円のモーニングセットで客はのんびりと朝を過ごす。

▼コーヒーを提供する点は同じでも、客はサッと楽しんで出社するのか、ゆったりした朝を過ごすのかで店を選択する。店側からみれば、回転率か高付加価値かで、収益の建て方が異なる。しかし、そんなことは客にとってはどうでもよく、その時々の気分や立地で店を選ぶ。

▼企業のITは「持たざる時代」に入った。クラウドを利用し、IT資産を外に出し、運用効率とコスト削減を図っている。しかし、企業内の利用者に目を向けず、効率だけを追求したために、使われないITが散在する。BYOD(個人端末の業務利用)が普及し始めたいま、企業も利用者の指向に合わせて選択できるITを考える時期にある。(吾)
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