今日のひとことWeb版
ある組み込み技術者の苦悩
2013/04/11 15:26
Android OSの新しいバージョンが出ると、世界のスマートフォンメーカーが一斉にドライバソフトの開発やOSのバグ取り作業に取り組むわけですが、そこで力の差を誇示するのが、サムスンやHTCといった世界大手。日本メーカーが束になってもかなわない人員と資本を投入して、いち早く製品を出してきます。
今回、話を聞いた技術者は、先行して出てきた世界大手の製品を手に、「こことここは直してるから、うちも優先して直そう」と分析。日本メーカーはヒト、モノ、カネ、時間が足りないなかで、とうてい全部には対応できないので、取り急ぎ世界大手の水準にできる限り近づこうと、涙ぐましい努力を日夜続けているそうです。
先進国のアメリカがOSという標準をつくり、アジア大手メーカーが製品をつくる。今の日本は、そのどちらにもなることができていません。それが、この組み込みソフト技術者を一層苦しい状態に追い込んでいます。日本が「先進国」を名乗るのであれば、やはり、自ら世界標準や潮流をつくっていくしかなさそうです。(安藤章司)
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