BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『世界は考える』
2013/04/04 15:27
週刊BCN 2013年04月01日vol.1475掲載
論客たちの多くが掲げた昨年の世界経済のキーワードは、新興国をも巻き込んだ「ユーロ危機」。これに関して、統一通貨の欠陥を端的に指摘しているのは投資家のジョージ・ソロスだが、彼はそこから打開への方策を見出してはいない。一方で、ゴールドマン・サックス・アセットマネジメント会長のジム・オニールは、「米国と中国の指導体制に決着がついた今(中略)、新しい一年の経済動向を見通す環境がようやく整った」として、「欧州の危機はメインストーリーにならない」とみる。そして「Growth 8」「Next 11」という成長国の群れに目を向ける。
23人の分析やものの見方には悲観と楽観が入り交じり、なかには真っ向からぶつかるものや我田引水に近いものもある。しかし、だからこそ政治・経済・社会を多角的にみる助けとなる。(叢虎)
『世界は考える』
中園 徹 著
土曜社 刊(1800円+税)
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