いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>トランザクション
2013/03/28 15:26
週刊BCN 2013年03月25日vol.1474掲載
金融機関の入出金など、ある目的に沿った複数の処理をひとつにまとめた単位
直訳すると「処理」。ある目的を完遂するために行う複数の処理を、一つの処理としてまとめた単位のことを指す。とくに金融機関での取引に使用される入出金システムでは、トランザクションが重要視される。
例えば、ユーザーAがメーカーBの製品を購入するときに、口座振替を利用したとする。このとき金融機関では、ユーザーAの預金口座から代金を引き出す処理と、メーカーBの口座に代金を振り込む二つの処理が発生する。これらの処理を一つにまとめて、「口座振替のトランザクション」という使い方をする。
トランザクションでは、複数の処理がすべて実行されるか、まったく処理されないかのどちらかに限定される。複数の処理のうち、一部の処理だけが遂行されることはない。これは、処理の前後でデータの整合性を保つため。先の例でいえば、ユーザーAの口座から引き出した代金が、メーカーBに振り込まれないという事態は起こってはいけない。代金が宙に浮いてしまい、取引の整合性を保つことができなくなるからだ。
したがって、メーカーBへの振り込みが仮に失敗したときには、ユーザーAの口座から預金の引き出しはキャンセルされる。このような複数の処理をすべて実行する、またはまったく実行しないといった処理方法を「トランザクション処理」という。そして、このトランザクション処理を実現するソフトウェアのことを、「TPモニタ」(Transaction Processing Monitor)といい、ITベンダーが金融機関などに向けて提供している。
ちなみに、単一のデータベース上で行う複数の処理をひとまとまりとするものを「ローカルトランザクション」、複数のデータベースをまたがる処理をまとめるものを「分散トランザクション」という。
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