北斗七星

北斗七星 2013年3月18日付 vol.1473

2013/03/21 15:38

週刊BCN 2013年03月18日vol.1473掲載

▼新年度を目前に、今年度の追い込み営業と来年度の予算づくりに追われている企業は多いだろう。ある企画で福岡県に取材を依頼したら「県議会の最中で3月は無理」とか。忙しい日々を過ごしているのは、自治体の関係者も同じ。この時期は春めいて明るい雰囲気が漂うが、同時にバタバタムードが企業・団体のなかに立ちこめる。

▼メディアの立場でいえば、実は3月はネタ枯れの時期。取材先の企業にとって、業績は決算前なので情報を出しにくく、人事の問題があるので組織の話もできない。3月期決算の日本企業の経営者に取材するのは、結構難しい。そういう意味でバタバタした日々を過ごす。

▼企業トップはこの時期、執務室にこもってじっくり計画を練るのだと思うが、先日取材した社長は「3月は確かに忙しいけれど、あえて社内の現場に顔を出すようにしている」と答えた。「バタバタしている時こそ、人の本質がみえる。その時に感じたことを人事に生かす」という。多忙な時期を現場の実態を知る機会にして、人事戦略に生かしているのだ。

▼3月は年末と同じで、新たな年度に向けて心を新たにする絶好の機会。日々の業務に追われるだけでなく、新年度の準備の時間を設けたいものだ。(鈎)
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