コンピュータの記憶装置にあるファイルを整理するための保管場所をいう。階層（ツリー）構造になっており、根の部分から枝分かれするかたちで複数の保管場所を生成することができる。ユーザーは、保有するファイルを保管場所ごとに分類するなど、整理して管理できる。

　ディレクトリは、主にUNIXやLinuxの分野で使用されている用語だ。WindowsやMacでは、似たような概念を「フォルダ」と呼んでいる。一般的にディレクトリとフォルダは同一視されることが多く、日常でファイルの保管場所を表現するときは、どちらを使っても問題はない。

　しかし、厳密にいえば両者の性質は異なる。ディレクトリが物理的に実在する保管場所のことを指すのに対して、フォルダは見かけ上存在している保管場所も含む。例えば、Windowsを使用していて、Cドライブにある「Program Files」のショートカットをデスクトップに作成したとする。このショートカットフォルダは、実際には存在しないのでディレクトリとはいわないが、見かけ上は存在しているように見えるので、フォルダということができる。

　ディレクトリやフォルダはツリー状になっているので、ファイルを分類するには便利だ。一方で、個別のファイルを探し出すときには、複数の保管場所を経由しなければならない。そこで、ファイルを検索しやすくするために、Windowsのエクスプローラ、Macのファインダーなどの検索ツールが提供されている。

　ちなみに、ディレクトリは「ディレクトリサービス」を省略して表現する際にも用いられる。この場合は、システムを複数のコンピュータに分散して運用している環境で、ネットワークを介してサーバーやプリンタなどのハードウェア、組織やユーザー名などの情報を一括して管理するサービスのことを指す。