北斗七星

北斗七星 2013年3月11日付 vol.1472

2013/03/14 15:38

週刊BCN 2013年03月11日vol.1472掲載

▼3月11日を前に、自分のパソコンに格納している「東日本大震災 写真」というフォルダをのぞいた。そこには、自分で被災地に行って撮影した写真もあれば、被災した方からいただいたものもある。悲惨な状況を思い出すと同時に、被災者が感じている気持ちを頭で想像することしかできないことに、後ろめたさも感じた。

▼昨年末に私自身が被災地を訪れ、今年の2月下旬には2人の記者が現地を取材した。自ら見聞きしたことと記者の話を聞いて、2年経った今でも、被災者の生活が元には戻っていない現実を知る。

▼過日、取材で広島市内に3日間滞在した。その時に強く印象に残ったのが、原爆ドームだった。「原爆ドーム」という名称は駅名にも使われていて、1945年8月6日に起きた悲しいできごとを人々の心に刻みつけている。宮城県で被災した人たちと会った時、「今最も必要なものは何ですか」と聞いたことがある。答えは「(東日本大震災を)忘れないでほしい」だった。

▼2年が経った今、私の震災の記憶は、正直にいえば徐々に薄れてきている。2年前のあの日を思い出し、できることを探して行動する。3月11日を迎えて、改めてそう思う。(鈎)
  • 1

関連記事

<現地密着取材>東日本大震災から1年 “絆”深めた被災地のIT産業  ――苦悩から復活へ

【被災地レポート】震災で問われた「事業の継続」、すばやい動きが会社を支えた