BOOK REVIEW

<BOOK REVIEW>『体温力 “冷え”をとれば病気は治る!』

2013/03/14 15:27

週刊BCN 2013年03月11日vol.1472掲載

 若い頃に比べて平熱が下がっていることに気づいた人はいませんか。体温が下がったくらいで騒ぐことはないと思っているあなた、それは間違いですよ。

 この本の著者によれば、体温を1℃上げれば、免疫力が5・6倍になるそうだ。じゃあ、変温動物のカエルは、冬眠中、免疫力がゼロになるのかと突っ込まれても困る。あくまで人間の体温の話である。

 からだが冷えると、どんな病気になるのか。これが実に多彩。胃腸炎、アレルギー、めまい、耳鳴り、嘔吐、緑内障、ヘルペス、不整脈、肥満、ガン、高血圧、糖尿病、高脂血症、膠原病、統合失調症、はたまた子どもの自殺、いじめと、なんでもござれだ。

 かつて日本人の体温は平均36.8℃だった。それがおよそ50年の間に約1℃低下しているそうだ。その原因は何なのか。運動や筋肉労働の不足/塩分の控えすぎ/水分の摂りすぎ/シャワーで済ませる入浴習慣/夏場のクーラーなどなど。思い当たるフシがあると思うが、注目すべきは「塩分の控えすぎ」と「水分の摂りすぎ」である。塩分は高血圧を引き起こすというので敬遠され、血液さらさらブームで水分を過剰摂取しがち。これが問題というわけだ。

 では、からだを温めるにはどうしたらいいのか。本書には、半身浴やウォーキングなどの健康法をはじめとして、体温を高める食事が紹介されている。そのメニューの一つ「梅醤番茶」はつくり方が簡単だし、効き目がありそうだと読んだ。(仁多)


『体温力 “冷え”をとれば病気は治る!』
石原結實 著
PHP研究所 刊(700円+税)
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