いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>DWH
2013/02/28 15:26
週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載
データを活用するために、基幹業務システムなどから大量の情報を収集・蓄積するシステム
直訳すると「データの倉庫」。基幹業務システムや販売管理システムなどがもつデータを収集・蓄積して、データ分析や、その後の意思決定に役立てるシステムをいう。
基幹系、販売系など、個別の業務システムはそれぞれがデータを蓄積しているが、分散しているために統合的な分析ができない。また、例えば業務系システムでデータ分析を行うとシステムに負荷がかかってパフォーマンスが低下し、日常の業務に支障を来す恐れがある。DWHは、こうした各システムのデータを抽出して一か所に集約することで、データの一元管理・分析環境を提供する。
DWHは、大容量のデータを長期間にわたって蓄積する。それぞれのデータは、関連を分析しやすくするために、加工せずに生データとして時系列で蓄積することで、過去のデータを分析して現在の状況と比較することができ、将来のビジネス戦略が立てやすくなる。例えば、コンビニエンスストアの在庫管理で、「月曜日の朝7~8時は、パンと牛乳を同時に購入する顧客が多い。その時間帯は牛乳の在庫が少ないので、来週以降は在庫を増やすようにする」といった具合である。
DWHは、各システムからデータを抽出・蓄積する役割を果たすが、ユーザーがデータ分析するための機能は、BI(ビジネスインテリジェンス)が提供する。BIの手法としては、OLAP(オンライン分析処理)やデータマイニング(仮説発見型分析)などが知られている。
企業向けIT製品情報サイトのキーマンズネットによると、ユーザー企業のDWHの導入率は16.0%(2011年)。従業員数が多いほど導入率が高く、1001人以上の大企業では30.5%が導入している。一方、大企業に比べて一般的にデータ量が少ない100人以下の中小企業では、導入率は2.0%にとどまる。
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