今日のひとことWeb版

紙媒体の可能性を広げるIT

2013/02/19 15:26

 紙媒体の行く末は、定期的に世上の話題になります。日本新聞協会や全国出版協会の統計では、新聞・雑誌・書籍の発行部数は、いずれも長期低落傾向。こうした状況は日本に限ったことではなく、世界中の多くのメディアが電子版の配信サービスを整備し、打開策を見出そうとしているのはご存じの通りです。

 しかし、電子版がメディアの事業の根幹を支えるものになるかどうかは、いまだ不透明。そもそも、既存の新聞や雑誌が提供しているコンテンツにどれだけのニーズがあるのかという問題もあります。

 では、紙に印刷したメディアはもう用済みなのでしょうか。いえいえ、紙のもつ視認性のよさや手触りといったアナログの感覚には、情報の受け手が人間である限り、一定のニーズがあるはずです。

 富士ゼロックスのクラウドサービス「SkyDesk Media Switch」のように、スマートフォンという身近なデバイスを介して、紙と電子情報を有機的につなぐ新たなサービスも登場しました。IT技術の進歩が紙媒体の可能性を広げた事例といえそうです。

 マルチメディアといかにスムーズにつながるか。これが紙媒体の行く末を左右するかもしれません。新たなソリューションに大いに期待しています。(本多和幸)

【記事はこちら】
富士ゼロックス、紙とマルチメディアをリンクする スマートフォン向けクラウドサービス
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.2.19」より
  • 1

関連記事

富士ゼロックス 病院向けの文書統合を推進 ベンダーロックの解除を狙う

【2013年 年頭所感】 富士ゼロックス

富士ゼロックス、複合機と連携した機械翻訳クラウドサービスを発表