北斗七星

北斗七星 2013年1月28日付 vol.1466

2013/01/31 15:38

週刊BCN 2013年01月28日vol.1466掲載

▼大雪が降ると、都心の交通はマヒする。降雪のたびに繰り返される事態を回避する術はない。雪国の人たちは、「この程度の雪で慌てる東京人って不思議」と、ネットに書き込む。転んで負傷する人、路面凍結で止まるトラック、電車ダイヤの大幅な乱れなど、混乱ぶりが滑稽に映るようだ。

▼雪国の人にいわせれば、雪道での歩き方や、雪への備えが万全かどうかの差ということになる。だが、雪の降る日が年に数日しかない東京の人のほとんどは、大枚をはたいて積雪への備えをすることはないだろう。私が住む集合住宅は、気象庁の積雪予報が出されると、管理事務所にスコップが並ぶ。年寄りが多いので、新雪の段階で小中学生が通路を除雪する。そんな簡単な備えが求められる。

▼ITの利活用は、こんな非常時の備えに力を発揮する。米IBMでは電力会社向けの気象予測モデルを提供している。過去の気象変動のモデリングとセンサ併用で、巨大ハリケーンが来襲する際の設備障害を予測し、防災設備と要員を確保する。

▼襲ってきた豪雪に短時間で対応するのは困難だ。市民のSNSの情報を含め、情報を利用した気象予報は、経済活動の備えに役立つ。気象に限らず、市民生活にビッグデータの利用を広げたい。(吾)
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