今日のひとことWeb版

ツイート分析をビジネスに生かす

2013/01/23 15:26

 衝動買いで朝井リョウ『何者』を手に入れ、一気に読みました。23歳の作者が、この1月に戦後最年少で直木賞を受賞した話題作です。登場人物は、就職活動に励む大学3年生たち。毎日のように企業の説明会に参加したり、面接を受けたりと、必死になって内定を勝ち取ろうとする姿を描いています。

 早稲田大学在学中に『何者』を書いた朝井氏は、自分自身の就職活動の経験をストーリーに盛り込んでいるそうです。それもあって非常にリアルなのですが、この小説がとくに斬新だなと思ったのは、文中に登場人物が発信する架空ツイートが入っているからです。ツイートは文章の流れに組み込まれて、登場人物はここで140文字以内のスペースを活用して、就職活動の苦労や失敗、自分が「何者」でありたいかの人生観を語ります。

 Twitterは、『何者』の直木賞受賞をきっかけに、文学の世界でも市民権を得ました。そして、この小説が描いているように、Twitterなどのソーシャルメディアでの情報発信は、ビッグデータ時代の到来に直結しています。『何者』を読んで、改めてそう感じました。

 このところ、ソーシャルメディア内の膨大な情報を分析してビジネスに生かそうとする企業が増加しています。ツイートに書かれたユーザーの感想や要望を読み取り、それを分析して製品開発やマーケティングに生かす「ビッグデータの活用」です。野村総合研究所は、ユーザー企業の60%がビッグデータの活用を検討課題と捉えているとみています。(ゼンフ ミシャ)

【記事はこちら】
ユーザー企業の6割がビッグデータ活用を検討課題と認識、NRI調査
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2013.1.23」より
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