いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>VoIP
2012/12/27 15:26
週刊BCN 2012年12月24日vol.1462掲載
インターネットを使って音声をやりとりする技術
インターネット経由で音声をリアルタイムに送受信する技術。VoIPの技術を利用した電話をIP電話、またはインターネット電話という。電話機だけでなく、コンピュータから電話機に電話をかけたり、コンピュータ同士で通話したりすることもできる。
従来のアナログ電話は音声信号をそのまま電話網に送信するが、VoIPは音声をデジタルデータ化して、メールや画像と同じようにインターネットの回線を通して送受信する。アナログ電話は、電話する相手との距離が遠いほど料金がかかるのに対して、VoIPを利用した通話は距離の長短が料金に影響しないので、コストがあまりかからない。
一方で、VoIPは音声をデータとして送受信するために、ロスタイムが発生したり、音声品質が劣化したりする場合がある。近年は、インターネット回線が高速化したことによってこれらの問題が改善され、VoIPの利用は拡大している。
総務省が発表した2012年度の『情報通信白書』によれば、IP電話の利用者数は年々増加しており、11年度の契約数は2849万件。法人でも利用が進んでいて、調査会社のIDC Japanによると、11年には企業の51.3%がVoIPの音声プラットフォームを採用している。
近年では、スマートフォンが普及したことによって、VoIPの機能を搭載したアプリケーションが注目されている。アプリは無償で提供され、コンシューマを中心に利用が拡大している。アプリ同士であれば通話が無料のサービスが多く、有料のものでも格安で通話できる。例えば、NHNが提供する「LINE」は通話が無料で、11年6月のサービス開始から12年11月末までに、世界で約8000万人がユーザー登録している。このほか、VoIPを利用したアプリとしては、「Skype」「Viber」が著名なサービスとして挙げられる。
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