今日のひとことWeb版

都市偏重はITの宿命か

2012/12/13 15:26

 外資系ベンダーの動きをみると、東京や上海、香港、シンガポールなど、ピンポイントでアジアの巨大市場を狙ってきています。例えばデータセンター(DC)事業者では、世界大手のKVHやエクイニクス、AWSなどはアジア主要都市を狙い撃ちしている印象です。

 情報サービスビジネスは、企業ユーザーの管理レベルがある程度の高さに達しないと、まとまった需要が見込めないといわれます。とくにDCビジネスの場合、巨額の先行投資が必要なので、市場の選定はよりシビアに行わざるを得ないという事情があるようです。

 一方で、日本の地方のように企業活動がある程度成熟してしまうと、IT投資は減少するようです。ITをフル活用して、大きな変革を繰り返す大都市にこそ情報サービスの需要があるわけで、ここに情報サービスビジネスを地方で展開することの難しさがあります。

 日本の場合、IT投資の7割が首都圏に偏重しているといわれていますが、実はアジア市場でも、同じような現象が起きています。世界戦略を語るうえで、情報サービス市場がどの程度の規模に達しているのか、将来の成長余地はどの程度なのかを見極める力が求められています。(安藤章司)

【記事はこちら】
主要SIerの投資動向 成長分野へアクセルを踏む
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.12.13」より
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