BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『現実を視よ』
2012/11/29 15:27
週刊BCN 2012年11月26日vol.1458掲載
なぜ、著者(ユニクロの経営者)は、日本人に警鐘を鳴らすのか。「いい加減に目を覚ませ。バブルの崩壊後、二十年にわたってこの国は衰退し続けてきた。そのあいだ、日本もその一員であるアジア諸国がいったい、どれほど変貌を遂げてきたのか、現実を直視できている人は、どのくらいいるのだろうか」。今まさにアジアでゴールドラッシュが起きているのに、指をくわえてみているだけの日本(人)に苛立ちを覚えるというのだ。「愛国者」を自認する著者にとっては、許しがたいことだ、と。
「消えた年金」のような大問題が起きても誰も責任をとらない官僚、福島原発事故の対処で不手際ぶりを天下にさらした政府首脳。三流どころか四流に成り下がった官僚や政治家にすがって何かを期待するのは愚の骨頂、自ら道を切り開けと檄を飛ばす。(仁多)
『現実を視よ』
柳井 正 著
PHP研究所 刊(1500円+税)
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