北斗七星

北斗七星 2012年11月19日付 vol.1457

2012/11/22 15:38

週刊BCN 2012年11月19日vol.1457掲載

▼バズワード的に扱われる「ビッグデータ」を使ったビジネスが具体化しつつある。例えば、宅配便業者。クルマのセンサ情報を利用して、急ブレーキをかけることが多い道路を推測、各車両に指示を与える。全運転手はこのデータを駆使して迂回路を走る。故障率の高い建設機械にも1台ごとにセンサを付ける。故障情報を逐一現場に流し、それを元にメンテナンスを行う。ただし、これらは設備投資を要するので、費用対効果をいかに生み出すかが課題ではある。

▼日立製作所の販売会社向け季刊誌の別冊「はいたっく」に興味深い記事が載っていた。ITジャーナリストの新野淳一氏は、今のビッグデータの動きを、米国の未来学者、アルビン・トフラー著の「第三の波」にたとえた。「この本の中で提示されている『プロシューマ』という予言が現実となっている」というのだ。

▼「プロシューマ」とは、消費者自身が既存製品を改良したり新商品のアイデアを生み出したりすること。だが、消費者が生み出したというだけでは、ヒット商品にはなりにくい。ITにたとえるならば、ユーザー側で、簡単に新たな価値を創り出すような柔軟性の高いシステムの提供に商機がありそうだ。(吾)
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