今日のひとことWeb版

海外進出の「視野」

2012/11/08 15:26

 先週から今週にかけて、大手SIerの決算発表・説明会が相次いでいます。ここで、成長へのキーワードとして、クラウドやスマートデバイス、ビッグデータなどと並んで必ず出てくるのが「海外進出」です。

 ここ数年の発表では、海外進出といえばまず中国が挙がっていたのですが、今回は、微妙にトーンダウン。その代わりに出てきたのがASEAN(東南アジア)やインドです。

 野村総合研究所(NRI)は、シンガポールの地域統括会社を中心にアジア・太平洋地域のグループ会社の再編を進め、またITホールディングスからは「中国+アルファ」という声も出はじめています。

 ある大手SIer幹部は、「中国リスクの顕在化で、ユーザー企業やわれわれ情報サービス業の海外ビジネスに対する視野が広がった」と、尖閣諸島を発端とする摩擦が、中国偏重を戒めるよいきっかけになったと話しました。

 もちろん、大手SIerで中国事業の見直しを決めたところはありませんし、中国がアジア最大の市場であることに変わりはありません。ただし、視野を広げるという意味で、徐々に変化が表れてきているのも、また事実のようです。(安藤章司)

【ASEAN(東南アジア)の記事はこちら】
有望市場・東南アジア ITベンダーは開拓の準備を着々と
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.11.8」より
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