BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ワーク・シフト』
2012/09/27 15:27
週刊BCN 2012年09月24日vol.1449掲載
アプローチは、2025年の社会を描くことから始まる。「テクノロジーの進化」「グローバル化の進展」など、五つの変化の要因を軸に、2025年の社会を「漠然と迎える未来」と「主体的に築く未来」に区別して描いてみせる。これだけでも十分に興味深いのだが、本書の主題は、「主体的に築く未来」の社会で幸福に働くために、意識的に実践すべき三つの「ワーク・シフト」を提示することにある。
その第一は、広く浅く知識をもつゼネラリストから、専門技能を連続して習得する「連続スペシャリスト」へのシフト。第二は、孤独な競争から「協力して起こすイノベーション」へのシフト。50億人がインターネットでつながる社会だからこそ、同志のネットワークをリアルの世界で築けと説く。そして第三が、大量消費から「情熱を傾けられる経験」へのシフト。生活スタイルの大転換を迫る。
職業選択の入り口に立つ人から、キャリアを重ねて指導的地位にある人まで、あらゆる職業人におすすめしたい。明確な意図をもって、職業生活を送るために。(叢虎)
リンダ・グラットン 著 池林千秋 訳 プレジデント社 刊(2000円+税)
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