今日のひとことWeb版
競争力のバロメータ
2012/09/06 15:26
おそらくは、マルチランゲージ対応機器のメーカーは、言語モジュールをその言語を使っている国・地域でローカライズする体制を構築しているはずです。開発や製造そのものを、メーカーの国以外で行っているケースも多くみられます。
この生産体制は、世界の最適な場所で、最適な開発・運用を行う「グローバルデリバリーモデル」の考えに通じるものです。近年、押されぎみの日本の電機産業ですが、グローバルでの競争力を測るバロメータの一つとして、この「マルチランゲージ対応」を使うことができそうです。
翻って、わが国の情報サービス産業がつくりだすソフトやサービスはどうでしょうか?中国でのオフショアソフト開発の歴史が長いこともあって、日本語、中国語、英語の三つは対応できそうです。さらに欲をいえば、ASEAN主要国の言語や、欧州圏のドイツ語、フランス語、それに南米で通用するスペイン語、ポルトガル語にも対応したいものです。
ITの世界は、グローバル市場である程度のシェアをもたなければ、国内でニッチ商品のまま終わる可能性が高いのです。例えば、マルチランゲージへの対応という発想に乏しかったガラケー(従来型携帯電話)のように、外来種に駆逐されかねません。いま、他社との協業や合作も含めた「グローバルデリバリーモデル」の構築が問われています。(安藤章司)
【グローバルデリバリーモデルを実践するNTTデータの記事はこちら】
NTTデータ 世界のトップグループを目指す 現状から抜け出すための三つの柱
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