いまさら聞けないキーワード
<いまさら聞けないキーワード>クラスタリング
2012/07/26 15:26
週刊BCN 2012年07月23日vol.1441掲載
英語の「cluster(クラスタ)」は、ぶどうの房のように、同種のモノや人が同じ場所に集まる様子を意味している。IT用語の「クラスタリング(クラスタ化)」は、数台のコンピュータ(サーバーなど)を接続し、一つのシステムとして動かす手法をいう。クラスタリングによってコンピュータ群を形成することで、仮に1台のコンピュータが故障しても、システム全体の停止を防ぐことができる。
クラスタリングを実現するためには、専用のハードウェアやソフトウェアが必要となる。クラスタリングによるシステムの構築には、二つの目的がある。一つは、サーバー群を監視して、1台に障害が発生した場合に健全なサーバーが処理を引き継いで、システムの安定稼働を継続させることだ。このように、システムの停止を防いで高可用性(High Availability=HA)を実現するクラスタを「HAクラスタ」と呼ぶ。
もう一つの目的は、サーバーの台数を増やすことによって、システムの性能の向上を図ることにある。クラスタリングでは、サーバー群をあたかも1台のように運用・管理することができるので、サーバーの数を増やして性能の向上を図りながら、運用・管理作業の負荷を抑えることが可能となる。
システムの継続稼働を主な目的としている高可用性クラスタソフトは、NECの「CLUSTERPRO」をはじめ、富士通の「PRIMECLUSTER」やIBMの「PowerHA」などが代表的な製品である。
ちなみに、クラスタを形成するコンピュータを「ノード(node)」という。また、一つのノードに障害が発生した場合に代替ノードが処理を引き継ぐことを、「フェイルオーバー(failover)」という。
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