今日のひとことWeb版

台湾経由で中国へ

2012/07/03 15:26

 中国市場に進出する国内のITベンダーが増え続けています。しかし、厳しい法規制や異なる商慣習・文化などが障壁になって、苦戦を強いられているのが実情です。

 そんななか、CISA(中華民国情報サービス産業協会)が提唱する「新ゴールデントライアングル」に注目が集まっています。日本のITベンダーのすぐれた品質管理や高い信頼性、ブランド力と、台湾のITベンダーの中華圏での商慣習や言語の理解度、マネジメント力というそれぞれの強みを相互に補完することで、中国をはじめとするアジア各国の市場を開拓するという構想です。

 台湾のITハードウェア産業は。1980年代から2000年代にかけて米シリコンバレーを頂点に台湾と中国が連携することで繁栄期を迎えました。「新ゴールデントライアングル」は、この成功体験を踏まえ、日本、台湾、中国の協業関係を構築して、新たな成功モデルの創造を目指しています。

 昨年9月、日本と台湾の間で通常の投資保護協定に相当する「日台民間投資取り決め」が結ばれました。これは投資活動や投資財産の保護に際して、無条件で内国民待遇や最恵国待遇を受けられるという民間の協定です。台湾と中国が締結したFTA(自由貿易協定)であるECFA(両岸経済協力枠組協定)との相乗効果も期待され、「新ゴールデントライアングル」の後押しになる可能性があります。(信澤健太)

【記事はこちら】
「新ゴールデントライアングル」で中国市場に打って出る
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.7.3」より
  • 1

関連記事

台湾と組んで中国へ!――新ゴールデン・トライアングルの最前線を追う

中華民国情報産業協会(CISA) 理事長 劉 瑞隆

BBS、CISAとの協業を発表、国内ソフトベンダーの中国・アジア進出を支援

日台ITビジネスアライアンス交流会を台北で開催、200人以上の関係者が国内外から参加