旅の蜃気楼

ソウルで出会った二人の実力経営者

2012/06/28 19:47

週刊BCN 2012年06月25日vol.1437掲載

【ソウル発】久しぶりにソウルへ出かけた。「日中韓に土俵を拡げる」をテーマに掲げたのが28か月前だ。この間に中国の主だった都市31都市を歩いた。ソウルは久しぶりで、24か月ぶりになる。宿をとった江南に着いて、地下鉄から地上に出て街を見ると、この都市の成熟した厚みを感じた。人の動きは落ち着いており、目標をもって行動している人が多いように思った。

▼今回はソフト会社社長の二氏と会った。オンザアイティの金範洙(キム・ボムス)さんとソルトルックスのトニー・リーさんだ。金社長はかつてサムスンに在籍し、1999年に36歳で独立した人物だ。ナレッジマネジメント分野のソフトを開発・販売している。日本には5年前に進出している。「最初の3年間は、日本の文化を覚える期間でした」。今は6社と販売パートナー契約を結んでいる。秋には日本向け商品を発売する予定だ。

▼ソルトルックスのリー社長は、LGに勤務してオラクルを使っていた。28歳で人工知能のソフト開発に目覚めてシスメタ社を創業。3年後に現在の会社と合併し、2006年に社長に就任した。ビックデータのなかから必要な情報を整理分析するソフトを開発・販売している。「研究開発に力を入れています。特許申請は50件で、そのうち20件が認可されています」。社名のソルトは価値、ルックスは社会を明るくするという意味が込められている。今年の秋に「日本で発売」する。すでに大手のユーザー企業が日本に存在する。元気な経営者にも成熟した落ち着きを感じた。(BCN社長・奥田喜久男)

オンザアイティの金範洙社長(写真上)と、ソルトルックスのトニー・リー社長。両社とも今年の秋に日本市場へ新製品を投入しようとしている
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