旅の蜃気楼
中国がソフト・サービスに本腰
2012/06/21 19:47
週刊BCN 2012年06月18日vol.1436掲載
▼今回、北京で開催された交易会は、コンテンツ、サービスといったソフトウェアが主体となっている。いわゆる知財に関わる分野の商品だ。コピーと量産がいとも簡単にできるだけに、ソフトメーカーが中国市場への参入に二の足を踏む事情は理解できる。中国がソフト産業を立ち上げて成長するには、著作権の厳格な運用が絶対条件となる。現状をみるかぎり、コピーが出回る中国でソフト産業をどのようにして立ち上げるのかと、日本や欧米のメーカーの誰もが思うことだろう。しかし今回、中国政府の主導で、全国の省と市の商務部のトップが集まり、主要な大学関係者と企業のトップが一堂に会するイベントを催すこととなった。国を挙げてサービス・ソフト産業の立ち上げに本腰を入れたわけだ。
▼日本からは、JETROの主導によって、日本音楽事業者協会ほか19社が参加した。日本のブースの隣には韓国企業が多く参加していた。まずは日中韓のサービス・コンテンツ、ソフト分野の産業育成の第一歩が始まったのだ。秋には、60年近い歴史を誇る広州の「広交会」が待っている。日本のメーカーには、中国市場の先を見据えた手を打つことが求められている。(BCN社長・奥田喜久男)
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