北斗七星

北斗七星 2012年6月11日付 Vol.1435

2012/06/14 19:47

週刊BCN 2012年06月11日vol.1435掲載

▼ある会社の朝礼風景。上司が質問を投げかける。「毎朝、新聞を読む人は?」。2割程度がパラパラと手を挙げる。上司は続けて問いかける。「新聞社の電子版やアプリ、あるいはネットのニュースサイトを読む人は?」。半数の手が挙がる。

▼これと同じ傾向が現れるのが、「店頭でソフトを買うか」と「スマートデバイスでアプリを買うか」という質問の回答。前者の購買層は2割ほどで、購入品目も限られる。スマートデバイスの登場で、アプリは端末を通じて買うのが常識になり、店頭のソフト販売は衰退の一途だ。

▼「日本のソフト業界は危機に直面している」。情報系ソフトでトップシェアをもつメーカーの社長はこう嘆く。紙の新聞の衰退と同じく、スマートデバイスの普及で、“儲ける術”を見失いかけているとみるからだ。

▼既存のビジネスモデルを続けていたら、凋落は目に見えている。だが、流通構造の転換期に商品の提供方法でデファクトを獲得すれば、10年後には勝者になることができる。情報システム担当者を介さずに、個人で業務ソフトを買える時代が来た。ITを使う人は確実に増える。あとは収益モデルをどうつくるかだ。(吾)
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