『週刊BCN』は、2年ほど前から記者が中国に赴き、日系企業や欧米企業の展開状況を直接取材するかたちで、急成長する中国IT市場を報道しています。

　私は2010年の6月に初めて中国に行き、同年10月にかけて何度も現地に足を運んで、上海や南京、北京など、各地でIT企業を取材しました。当時、取材を通じて明らかになったのは、多くの日系企業が中国の現地市場開拓を方針に掲げながら、案件獲得の実績はまだほとんどない――要するに、理想と現実のギャップが大きい、ということでした。

　中国は変化のスピードが速いといわれますが、ここ2年間、日系ITベンダーも中国現地市場の開拓を着実に推進してきました。彼らは、現地でデータセンターを開設したり、ローカルの有力IT企業と組んだり、中国の営業スタイルを身につけたりとさまざまな施策を講じて案件獲得の事例を増やしつつあります。

　記事では、この5月に中国に行き、日系ITベンダーの最新の動きを取材してきた記者が、案件獲得が増加している日系ITベンダーの成功事例を取り上げました。日系ITベンダーの「今」を記事化し、中国ビジネスの「今後」へのヒントを探っています。（ゼンフ ミシャ）

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中国の日系SIerが新たなフェーズに突入　現地企業からの案件獲得が増加