今日のひとことWeb版

遅疑逡巡

2012/06/07 15:26

 日本の「ビッグデータ」は、かつての「検索サービス」と同じ轍を踏むことになるのでしょうか。

 ビッグデータの活用は、世の中のサービスをよりスマートに変えていくために欠かせない要素ですが、どうやら、ここでも日本特有の遅疑逡巡がみられるようです。

 かつて、検索サービスでは「著作権」が大きな問題となり、検索の高速化に欠かせない「キャッシュコピー」すらグレーゾーン扱いとなった経緯があります。その結果、サービスの国際競争に参加することもできずに惨敗しました。

 ビッグデータで問題になっているのは、個人情報保護。大手ベンダーのなかには、「個人情報の扱いがグレーゾーンなので、自社でのビッグデータ活用は様子見」などと、疑い、迷い、ためらっているところがあります。

 もちろん、個人特定に紐づかないデータにもとづいたビッグデータ解析もあるのですが、そうではない特定個人に向けたサービスで、検索サービスと同じ轍を踏むことだけは避けたいものです。(安藤章司)

【ビックデータの俯瞰図の記事はこちら】
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>ビッグデータの関連市場 かたちになりつつある新規市場 経営課題を解決する提案力がカギ
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.6.7」より
  • 1

関連記事

<いまさら聞けないキーワード>Hadoop(ハドゥープ)

「ビッグデータ」の事業化進む 収益上げるまで“我慢の5年” 人材への投資が成功のポイント

NEC、「ビッグデータ」関連事業を本格化、今後3年で売り上げを1500億円に

日本HP、ビッグデータ関連のコンサルティングサービスを開始

<創刊30周年記念特集 5年先のIT業界を読む>ビッグデータ活用で企業は大きく伸びる!