今日のひとことWeb版
競争力の源泉は「生産技術」
2012/05/17 15:26
確かに、IT業界を見渡すと、日本のSIerの営業利益率はIBMやアクセンチュアに大きく見劣りしますし、電機メーカーは米国やアジアとの競争で負けが込んできています。
生産技術格差のわかりやすい例が、アップルの「iPad」です。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によると、初代iPadの発売から今年4月までのシェアは国内タブレット端末全体の実に約7割に達します。
ライバル企業が似たような端末を出しても、最新のiPadより解像度が劣っていたり、価格が高かったり、重かったり、電池のもちが悪かったり、ソフトが使いにくかったりと、どこかバランスに欠けてしまう。その結果が、このシェアに表れているのでしょう。
iPadやiPhoneなどに代表されるアップル製品が支持される理由としてよく挙がるのは、「独創的なアイデア」に裏づけられていること。しかし、ハード・ソフトの端的な「生産技術」でもファブレスのアップルに及ばないというのは、やはり致命的です。
独創的なアイデアは、それを支える生産技術があってこそ成り立つもの。スペックや価格、使い勝手など、ソフト・ハードを問わず、この部分で負けてしまうと、まず世界では勝てないという厳しい現実がみえてきます。(安藤章司)
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