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大規模な垂直統合から生まれるもの
2012/04/02 15:26
4月1日付で社長に就任する奥田隆司常務執行役員は、会見で、「ここ数年の厳しい市況感で、当社の強みが発揮できなくなった」と述べ、「垂直統合に限界を感じた」と打ち明けました。さらには「すべてを一社で、というのがいいわけではない」とも。
シャープは、2011年度(2012年3月期)通期の連結業績予想を、経常損益で300億円、最終損益で2900億円の赤字と見込んでいます。主な原因はテレビ事業の不振で、これが資本・業務提携の背景です。大型パネルを生産する子会社のシャープディスプレイプロダクト堺工場も、鴻海精密工業との共同運営で稼働率を上げざるを得ないところまで追い込まれました。少なくとも、液晶パネルの自社生産にこだわってきたシャープのビジネスモデルは、ここに終焉を迎えました。
シャープに外資が入るというのは、確かに大きな衝撃です。しかし、今回の資本・業務提携は、奥田常務のいう「限界」を打破するするためのもの。シャープと鴻海は、新しい、しかも極めて大規模な垂直統合モデルを構築しようとしているのです。誰に対抗しようとしているのかは明々白々。新たなビジネスモデルが勢力図をどのように塗り替えるのか。次のステージが楽しみです。(佐相彰彦)
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台湾・鴻海グループ、資本・業務提携でシャープの筆頭株主に、堺工場を共同運営
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