蓄電池の需要が高まりそうです。蓄電池は、東日本大震災後、停電対策としてUPS（無停電電源装置）や自家発電装置と並んで注目を浴びました。しかし、震災後に蓄電池を企画して発売したソニーマーケティングの担当者は「まったく売れなかった」と断言しました。その理由は「少し早かった」。

　「今年度は、企業がBCP（事業継続計画）を策定した時期。彼らは、急いで用意しなければならない災害対策機器以外は、しっかりとしたBCPをつくった後に導入しようと考えている。つまり、来年度が本番」というのが、この担当者の弁です。

　しかし、私が需要が高まりそうだと思ったのは、この担当者の声だけが理由ではありません。経済産業省や環境省、東京都など複数の官公庁・自治体が、蓄電池や自家発電装置購入の補助金制度をスタートしているからです。

　例えば、東京都と東京都中小企業振興公社は、都内の中小企業が関東や東北の事業所に自家発電設備と蓄電池を設置した場合、機器と工事費の一部を都が助成する制度を始めました。

　電力なきITはない――。システム構築やIT機器販売の提案の際、「今なら助成制度がありますので、万が一の事態に備えて、蓄電池を整備しておきませんか？」と、ひとこと加えるのはいかがでしょうか？（木村剛士）

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ソニー　業務用蓄電池を拡販　購入支援制度の開始を追い風に