BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した』
2012/02/23 15:27
週刊BCN 2012年02月20日vol.1420掲載
ITジャーナリストの著者は、日本で有数の「アップル・ウォッチャー」として知られている。もちろん、これまで数々のアップル、ジョブズの書籍をものにしてきた。著者のみたアップルは、ビジョンから「革新」を生みだし、人々の暮らしを変える「文化」を築いてきた会社だ。最強のチームが議論を重ね、妥協せずに「シンプル」を追求して製品を磨き抜くからこそ、文化となる。定着のプロセスは、製品のコンセプトを広める1年目、爆発的な需要を獲得する2年目、そして新たな製品を発売する3年目には、他社をマーケティングに巻き込んで販売に安定感をもたせ、新たなチャレンジを始める。このサイクルのなかで、ジョブズはユーザー、つまり市場と対話しながら、常に直感で本質的なものを選択してきた。最後に示される「イノベーションの王道」12のステップは、極めてシンプルだ。
タイトルと著者を見て、すぐさま手に取って正解。ただし、書籍としての洗練を期待してはいけない。(叢虎)
『ジョブズは何も発明せずにすべてを生み出した』
林 信行 著 青春出版社 刊(829円+税)
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