いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>スーパーコンピュータ

2012/02/16 15:26

週刊BCN 2012年02月13日vol.1419掲載

〈一般的な解釈は…〉超高性能をもち、科学技術計算などに用いられる最上位クラスのコンピュータ。

 スーパーコンピュータとは、その名の通り、「超(=super)」高性能をもつコンピュータをいう。略して「スパコン」とも呼ばれる。スーパーコンピュータは、個人用のパソコンや高信頼の汎用機であるメインフレームなど、あらゆる種類のコンピュータのなかでの最上位機種であり、大規模な科学技術計算などに用いられる。

 スーパーコンピュータは、数万個のCPU搭載をはじめ、複雑な構成をとって最高の性能を実現するので、開発・購入コストが非常に大きい。そのため、主に大企業や研究機関など、一部のユーザーだけが導入している。スーパーコンピュータの応用分野は、気象予測や地質探査をはじめ、遺伝子解析を中心とするバイオインフォマティックスや物質シミュレーション、データマイニングなどと幅広い。

 スーパーコンピュータは、1970年代に普及が始まった。登場当初から、長年の間、自動並列化を行う「ベクトル型」のプロセッサアーキテクチャを採用したものが主流だったが、巨大で高価なことがネックとなっていた。1990年代後半に、安価な汎用プロセッサを大量に使用して並列処理を行う「スカラー型」が現れ、スーパーコンピュータの設計コストをある程度抑えることができるようになった。

 スーパーコンピュータの主力メーカーは米国のIBMとヒューレット・パッカードだが、NEC、日立製作所、富士通など、日本メーカーも開発に力を入れている。昨年、富士通と自然科学総合研究所の理化学研究所(理研)が共同開発したスーパーコンピュータ「京(けい)」が、国際会議が高速コンピュータをランクづけする「第37回TOP500リスト」で第1位を獲得したことによって、一躍、世界から注目を浴びた。
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