今日のひとことWeb版

PBX、いまだ健在!

2012/02/15 15:26

 ITインフラのなかでは、レガシーに位置づけられる電話交換機(PBX)。現在では、インターネットプロトコル(IP)化が進み、IP-PBXが主流になっていると思っていましたが、中堅・中小企業を中心に、まだまだ非IPのPBXに需要があるそうです。コスト面や運用管理の煩雑さなどを理由にIP-PBXを敬遠し、非IPのPBXから非IPのPBXにリプレースするユーザー企業が存在し、これに伴って、残存者利益を得ているPBXベンダーも少なくありません。

 これをIT流通の視点からみると、興味深い事例が出てきます。通信関連に強く、自社もPBXを生産・販売する某大手ITメーカーは、10年ほど前から販売代理店の再構築に取り組んできました。数百社ある代理店のほとんどは、消えゆくであろうPBXベンダーです。IP化すれば、交換機を通じて音声・映像などをビジネスで利用できる――。そんなユニファイドコミュニケーションの時代が来ているなかで、電話交換機しか取り扱うことのできないPBXベンダーは、そのメーカーにとっては重荷でした。

 ITメーカーは、PBXベンダーにソリューション販売への転換を促しましたが、いまだに軌道に乗っていません。急場しのぎで、代理店のPBXベンダーに「通信回線を使う」という共通項をもつFAX搭載のプリンタを販売してもらおうという構想すら生まれました。

 非IPのPBXに「いまの需要」があるとはいえ、限界はみえています。法人市場にも、スマートデバイスを使ったモビリティの時代がやってきています。PBXベンダーは現状に安住することなく、ビジネスモデルの転換が必要でしょう。(谷畑良胤)

【記事はこちら】
2012年、商機到来か IP-PBXビジネスの有望性を探る
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2012.2.15」より
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