旅の蜃気楼

「今、ジャカルタが熱い」を実感

2011/12/22 19:47

週刊BCN 2011年12月19日vol.1412掲載

【ジャカルタ発】ジャカルタの商圏はモールごとにできている。外を歩くのは多少ぶっそうだが、ホテルからタクシーで移動してモールに入ると、そこはパラダイスだ。楽しく一日を過ごせるお洒落な空間になっている。モールからモールに移動して、ベスト電器のお店を見た。花崎健司さんに案内をしていただいた。日本を出る前に、ベスト電器の海外事業部にお願いして、事前に訪問日を約束していたのだ。

▼訪ねるきっかけとなったのは、ベスト電器・小野浩司社長の一言だ。「今、ジャカルタが熱い」。小野社長の言葉にひかれて、この目で確かめようと思った。現地で花崎さんに会うなり、その雰囲気が伝わってきた。携帯電話がかかってきたときの仕草、店内を巡る際の目線、部下への指示の出し方。この緊張感は、寸暇を惜しんで仕事を楽しむ人のそれだ。

▼店内で二人づれの男性と出会った。先方は丁寧に花崎さんに挨拶を交わした。「彼らはLGの営業担当者なんですよ。今日は休日のはずなのに、熱心にお店を見て回られるんです」。見回すと、LGエレクトロニクスのデジタルTVがずらりと並んでいる。店内でお客の目を引くPOPもLGだ。気になったので、花崎さんに聞いてみた。「日本のブランドは少ないですね」。

▼花崎さんはすでに答えをもっていた。「店の扱いは収益第一で考えています。日本企業だからという姿勢はみせない」。なるほど、携帯電話はサムスンだ。日本が得意とするデジタルカメラの有力商品もこの店では並んでいない。2005年から出店準備を始め、06年にオープン。順調に伸びて、現在は6店舗。ジャカルタにおける量販店のトップ集団は3社だ。「この市場は、まだまだ伸びますよ」。生き生きとした発言の源泉は何か。「自分の目で成長ぶりを確かめられる」ことに違いない。(BCN社長・奥田喜久男)

「ジャカルタは、まだまだ伸びますよ」と、ベスト電器の花崎さんは自信たっぷりだ
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