パソコン事業部門を切り離すと発表したかと思えば、新たに就任したCEOがその方針を引っ繰り返すなど、世間を騒がせた米ヒューレット・パッカード（HP）。

　約1か月半前、同社はアジア・パシフィックの統括拠点を置くシンガポールで、記者100人を集めたプレスイベントを開催しました。「アジアでクラウドを伸ばす」という意気込みを示す内容で、HPの気迫を感じました。

　このイベントで改めて考えたのは、全世界で事業を展開するグローバルカンパニーは、アジアのなかでも、とくにインドと中国を意識しているということ。特定の国に言及するときには、決まってこの両国の名が出てきます。次に出てくる国は、オーストラリアと韓国。日本はいったいどこにいってしまったのだろう……、と多少のひがみを抱きつつ取材していました。

　かつてアジア・パシフィック地域のIT市場で最も成長が著しかった国、日本。グローバルカンパニーは日本を特別扱いしていましたが、もうそんな時代は終わった――と、感じずにはいられませんでした。（木村剛士）

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米HP　アジアとクラウドの相性のよさを強調　新興国での事業拡大に強い意気込み