今日のひとことWeb版

役所の数字はあてになるのか

2011/12/01 15:26

 中国の役所の発表って、あてになるの――よくある読者からのお問い合わせの一つです。

 例えば、2011年の中国の情報サービス市場は、前年比約30%増の1兆7000億元(約20兆円)に拡大するという予測の数字――。

 これは中国の公的機関の統計をもとにしたものですが、これに対して中国の民間調査会社、IDC中国は「1166億ドル(約9兆円)の見込み」と、ずいぶんと控えめな数字を出しています。

 この差をみると、やっぱり中国の役所は……と思われるかもしれませんが、実は、われわれもあまり隣国のことを悪くはいえません。

 わが国の経済産業省の数字をもとにした2010年の国内情報サービス市場規模は約19兆8000億円ですが、実態としては、同業者間取り引きなどを除く“真水”で12~13兆円の規模だとみられています。

 正直いって、どっちもどっちという感じですが、はっきりしているのは、中国は成長基調にあり、日本は伸び悩みの状態が続いているということ。

 これら統計値の差異は、一つの数字だけに頼らず、さまざまな角度から市場の動きを読まなければならないという教訓を語っているように思えます。自らの反省も踏まえて――。(安藤章司)

【記事はこちら】
急成長する中国情報サービス 日系SIerが取り組む策とは
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.12.1」より
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