BOOK REVIEW
<BOOK REVIEW>『情報は貯めるだけ貯めなさい』
2011/10/27 15:27
週刊BCN 2011年10月24日vol.1404掲載
捨てることに抵抗を感じる人が多いのは、「いつか必要になるかもしれない」という心理が働くからだ。限られたスペースという制約の下では、残すものと捨てるものの選択を迫られる。しかし、ストレージ(保管庫)が無限大のクラウドでは、捨てることを考える必要がない。
著者がストレージとして使っているのは、クラウドサービスの「エバーノート」である。「エバーノート」には無料版と有料版があるが、情報の読み込みや検索の容易性の観点から、有料版を勧めている。「エバーノート」とスマートフォンがあれば、それが紙にプリントされた情報であっても、スキャン(撮影)して取り込むことができる。これで、机を占拠している紙情報の山とはおさらばできるというわけだ。
といって、著者は紙情報を否定しているのではない。手軽だし、プリントの余白にメモをとることもできる。ただし、それをいつまでも保存しておくのではなく、当面使う資料はクリアファイルに格納しておき、もう使わないだろうと判断したタイミングでスキャンして「エバーノート」に保存する方法をとっている。
情報の整理が不得手なわが身に照らして、ぜひ試してみようと思わせる内容の本である。(止水)
『情報は貯めるだけ貯めなさい~クラウド時代の逆転仕事術』
牧野武文 著 毎日コミュニケーションズ 刊(830円+税)
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