会社や製品などを説明するウェブサイトをもたない中小企業や零細企業は、とても多いようです。従業員10人以下の零細企業にシステム端末を販売しているメーカーによると、顧客企業のウェブサイト開設率は3割にも満たないとか。こんな実態があるのにもかかわらず、ありそうでなかったサービスが、グーグルが提供するウェブサイト作成サービス「みんなのビジネスオンライン」。ソーシャルネットワークを見る限りでは、話題になっています。

　これだけインターネットが普及するなかで、自社のウェブサイトをもたずに事業を拡大することは不可能でしょう。にもかかわらず、ITを知る社員が不足しているために、手をこまぬいている零細企業は多いはずです。取引先を評価する初手として閲覧される企業サイトがないのですから、零細企業はビジネス機会を自ら逸しているようなものです。

　今回のグーグルのサービスは、ITコーディネータ協会など、中小・零細企業の支援で実績のある団体がサポートしていますこれも、普及する可能性が高いと踏む理由の一つ。数年前、経済産業省の主導で「J-SaaS」が始まりました。SaaSで中小・零細企業を何とかする前に、ウェブサイトを作成する手立てを講じるほうが先立ったように思えます。みんなのビジネスオンライン――この新サービスは浸透するでしょう。（谷畑良胤）

【記事はこちら】
グーグル、中小企業・個人事業者にウェブサイト作成支援サービスを無料提供