いまさら聞けないキーワード

<いまさら聞けないキーワード>SOA(エスオーエー)

2011/08/25 15:26

週刊BCN 2011年08月22日vol.1395掲載

〈一般的な解釈は…〉アプリケーションの各機能を部品化し、柔軟に組み合わせることができるシステムの設計手法。

 「SOA」は、英語の「Service Oriented Architecture」の頭文字をとったものである。日本語では「サービス指向アーキテクチャ」となる。アーキテクチャとは、コンピュータシステムの設計手法を指しており、ここでいうサービスとは、企業が使用するアプリケーション(応用ソフト)がもつ各機能を意味している。要するに、SOAとはアプリケーションの各機能を部品化して、業務プロセスに応じて柔軟に組み合わせることができるシステムの設計手法のことだ。

 SOAの概念は、システムを動作環境や開発言語などの視点から構築するのではなく、アプリケーションの各機能(=サービス)の独立性を高めることを重要視してシステムを設計することを特徴としている。そのことから、「サービス指向」と名づけられた。

 SOAに基づくシステムは、アプリケーションをサービスの集まりとして構築することによって、容易にプロセスに必要なサービスを組み込んだり、不要なサービスを外したりすることができる。そのため、システム全体を大きく変えることなく、プロセスの変更を柔軟に行うことが可能になるわけだ。

 SOAを活用したソリューションは2004年頃に登場し始め、IT業界で新商材として注目を浴びるようになった。その背景としては、ここ数年で加速している企業の合併や再編によって、複数のシステムを統合するニーズが拡大しており、柔軟な変更に対応するIT環境の需要が高まっていることが挙げられる。

 ちなみに、SOAのようなシステム構築の概念自体は新しいものではない。例えば、データや処理対象(=オブジェクト)に重点を置いてシステムを設計する「オブジェクト指向」など、SOAに類似する構築手法は以前から存在している。
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