今日のひとことWeb版

最後の砦は燃料だった

2011/07/26 15:26

 東日本大震災の直撃を受けた宮城県のデータセンター(DC)に設置してあった監視カメラの映像を見ました。日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)が京都市で開催した「第33回ISP&ホスティングの集い in 京都」で、宮城県仙台市のNEC特約店、テクノ・マインドがプレゼンテーションで使った映像です。この揺れでよくぞ壊れなかったな、と感じました。

 震災の1か月後、仙台市に立ち寄りましたが、DCで物理的な被害を受けた例はありませんでした。ただし、テクノ・マインドの場合は、自家発電機で使う燃料について、事前に燃料販売会社と優先的に供給する契約をしていたことで助かったようです。電力復旧がいつになるか分からないなかでは、UPSで一時的な電源を確保しながら、その後は自家発電で電力を賄う必要があります。止められないシステムがあるDC――実は、最後の砦はガソリンです。

 テクノ・マインドのDCは、仙台駅から徒歩5分、県庁付近ということで、燃料が優先的に振り分けられました。ただ、郊外にあるDCは、燃料の供給が滞る恐れがあったそうです。実際に止まった所もあったでしょう。いま、余震や首都圏直下型の地震を恐れて、DCを関西圏などに移す動きがありますが、燃料供給網を勘案すると、単純に郊外に、とはいかないようです。(谷畑良胤)

【記事はこちら】
JAIPA、京都で「ISP&ホスティングの集い」を開催、震災後のDCでの対応などを発表
メールマガジン「Daily BCN Bizline 2011.7.26」より
  • 1

関連記事

IDC Japan、データセンター立地を地域別調査、関東地方で約70%占有

DCの異変、顕在化 “首都圏離れ”が加速

2011年はデータセンターの年

【被災地レポート】震災で問われた「事業の継続」、すばやい動きが会社を支えた