北斗七星

北斗七星 2011年7月11日付 Vol.1390

2011/07/14 15:38

週刊BCN 2011年07月11日vol.1390掲載

▼電力使用制限令で、関東圏の照明は、東日本大震災直後に戻った。スーパーなどでは、陳列棚が見にくい。「茨城産だけど大丈夫?」といった声も聞かれ、福島第一原発の影響下にある地域の作物が敬遠されがちになる。残念だ。

▼政治の空白が続き、復興計画や資金投入も目処が立たない。風評被害を食い止める策は中途半端なままだ。仙台市を訪れたが、津波の被害を受けた沿岸部の瓦礫除去は、3か月前とあまり変化がないようだ。宮城県の南三陸町からは自衛隊が撤収したと聞く。復興を果たしたからではない。防衛省独自の判断で、被災地を離れたのだ。

▼その陰で、民間ボランティアによる復興作業は目覚ましく進展している。仙台市のITベンダーによる「ITで日本を元気に!」実行委員会は、被災地のパソコン設置や通信環境の整備など、義援金を活用して活動を展開中だ。

▼民間レベルでの組織的な復旧・復興作業は、被災地に勇気を与えているが、全被災地を俯瞰することはできない。地元をよく知るこうした活動を行う組織を中心にして、地域発の復旧・復興策を練るべき時期がきている。(吾)
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