旅の蜃気楼
30年の歳月がもたらした北京の変貌
2011/07/07 15:38
週刊BCN 2011年07月04日vol.1389掲載
▼中国は、紅衛兵時代から脱出する70年代、改革開放に向けて歩き始めた80年代、社会主義市場経済の実現に向けてアクセルを踏んだ90年代、そして現在の爆発的な成長につながる。一方、コンピュータの30年をみると──。心臓部である最初のマイクロプロセッサのインテル4004の発売は、1971年だった。ウインドウズ95の発売は1995年。ここから爆発的な普及が始まる。
▼コンピュータがこの30年間にもたらしたビジネススタイルによって、世界中のどこでも、いつでも、誰とでも情報交換ができるようになった。中国には東京もしくは東京以上の規模の都市が20ある。どの都市からでも日本につながる。ハードは日本で使っているものを持ち込めばいい。通信回線はパケ放題で1日1500円、利用料金も手頃だ。スカイプを使えば無料になる。国内出張と同じだ。
▼北京の地下鉄は、ホームと線路がガラスで仕切られている。最先端だ。最も古い地下鉄1号線は天安門広場を通過している。観光客が最も多い駅だ。5年ぶりに東京の銀座に当たる王府井駅で下車した。地上に出ると、繁華街の入り口になる。どうも様子が違う。街並みが新しくなっている。繁華街をしばらく歩くと、右側に1655年に建てられたカトリック教会が見える。以前はここから先が賑やかだった。今はこの先の古い街並みを造り替えている。ここが完成すると、長い延長のショッピング街ができる。北京市内は街路樹のある広い道幅の街並みが着々とつくられている。街づくりがうまい。(BCN社長・奥田喜久男)
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