北斗七星

北斗七星 2011年5月30日付 Vol.1384

2011/06/02 15:38

週刊BCN 2011年05月30日vol.1384掲載

▼「東北地方のパソコンは動いている」。大手ディストリビュータの幹部は、東日本大震災後のIT界に薄日が差していると顔をほころばせる。震災時の破損や津波による紛失などが要因ではない。停電時に備えて蓄電機能があるパソコンへの移行が進んだのだ。

▼国内パソコン販売は、年々減少の一途だ。パソコンをメイン商材とする販社も減る。競合プレーヤーが業態を変える動きをみせるなかで”残存者利益”を獲得する販社も現れている。パソコン販売を続けるか否か。そんな選択を迫られている販社は全国に数多くある。

▼パソコンで高い収益性を確保する販社も、無策なわけではない。従来の箱売りとソフトウェアのライセンス販売だけではユーザーの支持は得られない。納期の速さは、どのメーカーも一定レベルに到達している。差異化できる部分は、クラウドやタブレット端末などとのコラボレーション提案の力量だろう。

▼コンシューマ製品を法人向けに転換する例は多くある。Facebookなどソーシャルメディアがそうだ。タブレット端末はその転換速度をはるかに超えて、法人市場に浸透中。いまや、これ抜きに端末の提案は成立しない。(吾)
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